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酒造りにもっとも大切な仕込み水は、富士山の伏流水です。戦前には、井戸水をくみ上げて使用していましたが、戦後上水道の整備により水道がひかれ、現在は水道水を仕込み水として使用しています。富士河口湖町の水道水は、標高1150m付近にてくみ上げた富士山湧水です。私共が住んでいる850m地点より、より純粋な富士山伏流水であるということが言えます。
井出醸造店 甲斐の開運
米洗い・蒸米・発酵・加水・瓶洗い・道具の洗浄など、水は蔵の作業全てに関係してきます。どの蔵でも一番苦労するのが水ですが、当蔵で使用する水は富士山の溶岩層が天然の濾過槽の役目を果たしている為に濾過や殺菌をする必要がなく、まさに富士山の恩恵を一身に受けた、恵まれた環境での酒造りといえます。
「洗いに始まり、洗いに終わる」、よく耳にする言葉です。酒造りには欠かせないこの言葉、造りの始まる前には蔵内全てをピカピカにし、造りが始まれば日々清潔を心掛け、すべてが終われば次期仕込みに向けて、完璧な清掃をする。井出醸造店では有言実行です。(日光浴は乾燥、殺菌にはGOOD!)
日本酒は米と水から造られます。米の中にあるデンプンを麹によって糖化させ、酵母によってその糖分をアルコールに変えてできたものが日本酒です。飯米とは種類が違います。食べるお米として適した品種があるように、酒造りに適した品種「酒造好適米」があります。皆様が良く耳にする「山田錦」などがそうです。
ここ富士北麓の地は、大変冷涼な気候であるため酒米づくりには適していません。しかし、富士山の水で育まれた米を使い、正真正銘の「地酒」を造りたいとの思いから、地元米農家の皆様と協力し、試行錯誤の末2003年、富士北麓産酒米を使用した日本酒が製造できるようになりました。日本で一番標高の高い酒米の産地となり、農家の皆様のご苦労は、計り知れないものがあったと思います。
2004年 酒米の収穫
井出醸造店は、富士山の北側、河口湖の南岸に位置します。夏は涼しく、冬は「極寒」という言葉がぴったりです。11月に入ると気温はぐっと下がります、今でこそ、暖かい日も多くありますが、一昔前は年を越すと最高気温が2〜3度、最低気温はマイナス10度を下回る日が多くあり、最高気温が零度以下という真冬日もありました。生活するには非常に厳しい条件ですが、お酒を造るうえでは最高の条件なのです。気温が低いと、空気中の雑菌の繁殖を心配をしなくて済みます。そして、それは水に関しても言えます。また、お酒は低温発酵ですので外気温が低いと温度管理も容易になります。肌を刺す冷たい空気は、酒造りには最適なのです。
(※ポインターを写真に載せると酒蔵の場所がわかります。)
河口湖 (1981~2010) | 1月 | 2月 | 3月 | 10月 | 11月 | 12月 | 過去最低気温 |
最高平均気温(℃) | 5.3 | 6.1 | 9.7 | 17.8 | 13.3 | 8.4 | -5.7℃(1936.1.31) |
最低平均気温(℃) | -6.2 | -5.2 | -1.7 | 7.9 | 1.7 | -3.4 | -22℃(1936.1.31) |
平均気温(℃) | -0.6 | 0.2 | 3.6 | 12.4 | 7.1 | 2.0 | (気象庁調べ) |
戸井の中の氷;これで何本の戸井を割ってしまったことか・・・・・。
2014年2月17日 の大雪 車が道路に出るのに3週間かかりました。
もの造りは往々にして、一人では成しえません。一人一人が黙々と自分の役割を果たしながら、皆と協力・協調して作りあげていくものだと思います。酒は ”生き物” といいます。蔵人の和が乱れればそれを感じて酒もまずくなる。このような考えのもと「和をもって酒を成す」の精神で丁寧に酒を醸してまいります。
お茶の時間は大切です。冗談も言いながら、世間話もしながら、一息入れるわけですが、その中で色々な情報を共有するという時間でもあるのです。それが後の仕事をスムーズに進める事に繋がります。
守るべき伝統の技術をかたくなに踏襲し、また、新鮮な感覚での技術の向上にも目を向ける。まさに「温故知新」の精神で、大切に受け継がれてきた匠の技を未来につなげていきたいと考えています
この写真は、上槽(お酒の絞り)を終えた後の酒粕を剥がしているところです。奇麗に剥がすには丁寧さが必要で、とても時間がかかります。バサバサと剥がせばどんなに楽かと思いますが、このように綺麗に剥がすことによって、次の袋詰めの作業の効率がグッとあがります。他の人のことを考えながら仕事をするということは、できそうで出来ていないこと。それを普通に何気なくしているのは、やはり職人ということでしょう。
美味しくできたお酒をなるべく質を変えずに皆様のお手元に届けるまでが、蔵の仕事だと思います。いいお酒が出来ても適切な管理と作業と熟成が行われなければ何の意味もありません。「火入れ」(殺菌)は品質保存の為の大切な作業です。火入れ作業に於いて、お酒に負担をかけずいかに味や香りの変化を最小限に抑えるかが重要です。当蔵では火入れをしたお酒をいかに早く冷ますか等、できうる限りの手を打って味、香り、質の保存に努めています。
お酒にとっての大敵は温度と光、写真は、貯蔵タンクの倉庫です。通年13℃、最小限の光源のみにして大切にお酒を管理し、出荷を待っているのです。
いいお酒が出来ても、それを管理し、瓶に詰め、宣伝し、販売する人がいなくては、お酒は皆様に飲まれることはありません。造り手と売り手、そして地元の皆様、全国のお客様のご愛顧により井出醸造店「甲斐の開運」は成り立っていると考えています。
2020年2月8日 「第27回 蔵開き」にご来場の皆様
2019年2月「第26回 蔵開き」 社員・アルバイトさん・近隣の出店者の皆様
私たちは、富士山の恩恵に敬意をはらいつつ、「個性をもちながら飲み飽きのしないお酒」を信条とし、いつまでも信頼され、ますます安心なお酒を皆様にお届けできるよう、全力で取り組んでいきます。
【井出醸造店について】
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